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いいんだよ
いいんだよ
父は
そう言ってくれると思っている
父は70才で亡くなるまで
働いた
まるで働かないと死んでしまうとでも思っているみたいに
肝硬変がいよいよひどくなってきた
入退院を繰り返した
退院するとすぐに仕事場に向かっていき
仕事にとりかかった
いよいよ腹水がたまって
身動きができなくなった
注射針で水を抜いてもらうと少し楽になった
母がつききりで看護をした
長期に及んで母もダウン
父の傍にベッドを作ってもらって入院した
父の生き方からすると
わたしのそれはまるでなまぬるい
ぐうたらにぐうたらを重ねているばかりだ
麻痺もやわらいで
動けるところまでには回復しているのに
働きにも行かない
いいんだよ
いいんだよ
それでいいんだよ
父はそう言ってくれているように思う
厳格な父だったので
ほんとはビンタの一発くらいはかましたいのかもしれないが
そこを我慢して
我慢に我慢をして
いいんだよ
それでいいんだよ
そう言って見守っていてくれそうな気がする
わたしはどこまでもあまったれである
死んで父の所へ行ったら
父のような生き方ができなかったことを
詫びなければなるまい
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