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復興まちづくりに係っておられる皆様へ
被災地復興に係る毎日のお仕事、ご活動の激務、本当にお疲れさまです。
誠に僭越なのですが、弊団体(NPOまち研究工房)が主な活動としている事業の成果や提案を、復興まちづくりに微力ながら活かせればとの想いから、拙稿で恥ずかしいのですが、FBを活用して話題提供させていただきます。
すでに各地の復興計画やインフラ整備方針等の中で、検討対象になっているテーマでもあるかと思いますが、あらためてご関心がございましたら、ご笑覧いただければ幸いです。少々長文になりますことをお許しください。
○移動困難者(高齢者,妊産婦,障がい者等)を考慮したインフラの充実
・避難路及び高台住宅地等の街路における、できるだけ多くの休憩スペース(最小でベンチ一脚分程 度)の確保や、歩行動線における手すりの設置(特に傾斜路には必須要件)
※これらの整備は、日常の生活利便性の確保とともに非常時の避難対策となる、コミュニティインフ
ラのひとつとして重要と考えています。
非難時は、移動困難者と健常者との歩行速度が著しく異なるため、避難路が狭い場合は、移動困難 者が押し倒されるなど危険にさらされる可能性があると思います。また、健常者も円滑な避難が難
しくなる恐れがあると思いますので、日常の休憩スペースを避難時の移動困難者の退避スペースや
健常者の追い越しスペース(できるだけ、追い越しでなく、移動困難者を手助けできればいいです
が・・・)として捉えることも重要ではないかと考えています。なお、この考え方は、昨年11月3日付
の朝日新聞朝刊(私の視点)で「避難路・避難場~すべての人に使いやすく~」と題して採り上げ
てくださり、ある公立大学では入試問題に使われました。
○自転車専用道路網の形成
・平常時・・・日常生活における移動および休日レジャー・観光用
・非常時・・・歩行者専用避難路、緊急車両専用道
以上のどの取り組みも、物理的条件や予算上の制約、安全性の検討、費用対効果の検証、合意形成が必要であるなど、簡単にクリアできるテーマはないと思いますが、特に高齢化率の高い被災地における住環境の充実は、被災住民のニーズであることは間違いなく、観光インフラの整備とともに、今後の人口の確保(回復)の上でも重要なテーマのひとつではないかと考えます。
これからが本格的な復興まちづくりの段階だと思います。長寿国であり地震国であるわが国が、今だからこそ諸外国のモデルにもなりえる復興まちづくりを実践できることを切に願っております。
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